それは、昨夏に国連人権委員会ビジネスと人権作業部会が日本国内における人権状況を調査し、最終報告書を国連人権理事会に提出したことです。

「報告書」では、「日本には人権に関する構造的な課題があること」や「人権侵害に対して国家救済機関がないこと」を問題視しています。また、職場においては、男女間の賃金格差や外国人労働者、性的マイノリティーらに対する差別的待遇、長時間労働など国内企業全般にわたる懸念事項を指摘したうえで、日本政府および企業に対して具体的な提言を示しました。今般の最終報告書を踏まえ、国際基準でもある「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権尊重の取り組みは、企業経営の根幹であることを改めて認識したところです。

私たちC－STEPの果たす役割は、就職差別の根絶、公正採用や就職の機会均等、差別待遇や労働環境の改善に関する事業を通じて、すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現に寄与することにあります。私もその一翼を担うべくとりくんでまいります。私自身、まだまだ不慣れなことからも、皆さま方にご迷惑をおかけすることもあろうかと存じますが、誠心誠意に努めてまいりますので、前任者同様、引き続き暖かな叱咤激励とご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げ、理事長就任のごあいさつとさせていただきます。

2024年6月　　理事長　中田 将稔